ABOUT

桐と家族と共に100年

かつて「嫁入り道具」の象徴だったのが、白い無垢の桐たんす。
そこには、大切な娘を新しい家族へ送り出す、さまざまな想いが込められています。
そしてその桐たんすは、新しい家族と人生を過ごし、
いつしか母親から娘に受け継がれ、また新たな物語をつむいでいきます。

柔らかく、美しく、しなやかで、あたたかい。
そんな本物の桐たんすは、日本の伝統技術でしか生み出すことができません。
明治から続くあづまは現在、紀州桐箪笥の伝統工芸士である五代目を中心に、
木材の目利きから、木取り、漆芸、曲木といった特殊な加工まで、
桐箪笥づくりのすべての工程を、自分たちで仕上げることができる稀有な会社です。

いくら時代が変わっても、変わらない「技術」と「家族への想い」があります。
これまでの100年も、これからの100年も、時代をこえて。
あづまは、家族の絆をまもるモノづくりを続けていきます。

伝統工芸士の技術

1/100ミリの違いにこだわる、緻密に計算された桐たんすの世界。
その感性と技術を受け継ぐ、伝統工芸士ならではの「技」をご紹介します。

包み蟻組み接ぎ

板材の木口を互いに凹凸に加工し、組み手として接合する組継ぎの一種。主に抽斗の側板と前板の組みによく使われる接合度の強い伝統技法です。

留型蟻組み接ぎ

抽斗の側板と先板を等間隔にアリほぞを切り抜いた美しい組み接ぎ。上から見た時は綺麗に接合されているように見えますが、横から見るとしっかりと蟻組みで組まれているため、接合の強さもあります。

包み打ち付け接ぎ

主に桐箱や抽斗等の箱型構造の接合部分に使われる接ぎ方。二面接着のため強度があり、木口の接合部もスマートで見栄えの良い組手です。また木口面から木釘を打つためさらに接合強度が上がります。

漆塗り(拭き漆・塗り立て)

<拭き漆>ウルシ科の落葉高樹から取れる樹液を精製して作られた生漆を、何度も擦り込んで仕上げていく技法。また工程の中で漆を拭き込んでいく事から「拭き漆」と呼ばれています。
<塗り立て>下塗り、中塗り、上塗りなどの漆の層を作り重ねていき、最後の上塗りを塗りっぱなしで仕上げる技法。また仕上げ刷毛は女性の髪の毛から出来る仕上げ刷毛を使用します。

焼き桐柿渋砥の粉仕上げ

あづま4代目社長、東秀樹が考案したあづま独自の技法です。桐の木を炎で焼き、煤落としをしてから独自の配合をした柿渋と砥の粉を塗り重ね磨き込んでいきます。砥の粉を使った塗装でありながら、水濡れの染みができない塗装です。

焼き桐柿渋仕上げ

桐の木を焼いて煤落としをしてから柿渋を塗り重ねていく技法です。太陽光と独自のはけ捌きを用いた仕上がりは、赤黒く味わい深い色になります。また柿渋はシックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドを吸着分解する作用があります。

焼き桐仕上げ

焼き桐の技法は焼き琴のコテ焼きが原点。その技法を弊社で試行錯誤を重ね弊社オリジナルの焼き方を確立しました。弊社は炎の温度と炎の形を使い分けて焼いていくため、焼き桐の箪笥では不可能といわれていた扉の中のパーツを桐の木地と焼桐のツートンに仕上がることもできます。また、薬品などを使用しないで焼き加工するために、人、環境に優しい仕上がりになっています。

柿渋仕上げ

天然の柿渋を使用しその原液を箪笥に摺りこんでいく仕上げです。天然の柿渋を使用するため淡いオレンジ色に仕上がります。また柿渋塗装は日が経つごとに赤みが増していき天然の革製品のように熟成感を楽しめます。

砥の粉仕上げ

美しく鉋掛けした手触りの良い桐の表面を、刈萱の草の根で作った浮造で磨くことにより桐の木の夏目と冬目を分けて際立たせ、その凹凸に砥の粉を塗り重ね蝋で仕上げる伝統技法です。

オイルコーティング

安全性の高いドイツ製のオスモカラーを使い、漆塗で培われた塗装技術を合わせた独自の塗装をしています。一般のオイル塗装と違い手触りや撥水性が更に上がります。

ガラスコーティング

食品衛生法をクリアした液体ガラス塗料を独自塗装で塗装しています。安全性が高い塗装ですので家具の塗装はもちろん、木製品の食器類にも使われる塗装です。